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EULAR/ACRによるリウマチ性多発筋痛症(PMR)の管理に関するリコメンデーション2015  【PMRの管理(ステロイド治療とその減量)に関する初のリコメンデーション】

No.4800 (2016年04月23日発行) P.50

大岩 寛 (広島市立広島市民病院リウマチ・膠原病科 部長)

杉山英二 (広島大学病院リウマチ・膠原病科教授)

登録日: 2016-04-23

最終更新日: 2016-10-26

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欧州・米国のリウマチ学会(EULAR/ACR)共同で出版されたリウマチ性多発筋痛症(PMR)のリコメンデーション(文献1)を簡潔に紹介する。GRADE法によるシステマティックレビュー(文献2)に基づき,委員会によるPMRの管理に関する包括的・具体的推奨が記載されている。
(1)ステロイドの使用を強く勧める。(2)個々に応じ有効で最小の投与量を強く勧める。(3)初期治療としてprednisone(PSN)毎日12.5~25mg相当量を勧める。(4)定期的に疾患活動性,血液検査,副作用を監視し,個々の患者に応じ減量を計画するよう強く勧める。減量法の提案:A. 初期の減量─4~8週間以内にPSN 10mgに。B. 再発治療─再発前の投与量に増量し4~8週間以内に再発時の量に。C. 寛解後―寛解を維持しながら4週間ごとに1mgずつ減量(隔日投与では1.25mg)。(6)経口ステロイドは分割よりも単回投与を勧める。(7)MTXの早期併用を考慮してもよい。臨床試験の投与量は経口で7.5~10mg/週。(8)TNF阻害薬の使用に強く反対する。(9)個々に応じた運動プログラムを考慮する((5)と(10)は省略した)。
リウマチ専門医の日常診療プラクティスが明文化され,日本の地域診療にも有意義と思われる。

【文献】


1) Dejaco C, et al:Ann Rheum Dis. 2015;74(10):1799-807.
2) Dejaco C, et al:Ann Rheum Dis. 2015;74(10):1808-17.

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