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網羅的末梢前庭機能評価 【cVEMP,oVEMP,video head impulse testの検査を行うことで,末梢前庭機能の網羅的評価が可能に】

No.4786 (2016年01月16日発行) P.53

新藤 晋 (埼玉医科大学耳鼻咽喉科講師)

登録日: 2016-01-16

最終更新日: 2016-10-26

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内耳には角加速度を感知する3つの半規管(上半規管,外側半規管,下半規管)と,直線加速度を感知する2つの耳石器(球形嚢,卵形嚢)の,計5つの末梢前庭器が存在する。末梢前庭障害では患者によって症状や眼振の性状が異なることから,障害部位には多様性があると考えられる。
末梢前庭機能検査として最も有名なものとしては,1914年にノーベル医学・生理学賞を受賞したRobert Baranyが考案した温度刺激検査(カロリックテスト)がある。これは現在でも世界で広く行われている優れた検査法であるが,外側半規管の機能しかわからない。しかし,日常臨床に用いることが可能な優れた半規管機能検査がほかになかったことから,1990年頃まで温度刺激検査の結果から,末梢前庭機能の全体が推測されていた。
その後1990年代に下前庭神経・球形嚢の機能検査であるcervical vestibular evoked myogenic potential(cVEMP)が開発され,ついで卵形嚢の機能検査であるocular VEMP(oVEMP)が開発・報告された。さらに2009年には,水平・垂直の半規管機能検査であるvideo head impulse testが発表された。これらの検査をすべて行うことで,三半規管,二耳石器のすべての末梢前庭機能の網羅的評価が可能となった。
網羅的末梢前庭機能評価は,今まで不明な点が多かった末梢前庭疾患の病態解明に寄与することが期待されている。

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