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FDG-PET/CT検査

No.4729 (2014年12月13日発行) P.45

白石慎哉 (熊本大学生命科学研究部放射線診断学)

登録日: 2014-12-13

最終更新日: 2016-10-26

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核医学検査における最近10年の最も大きな変化が陽電子放出断層撮影(positron emission tomography:PET)/CT検査の登場であろう。特にフルオロデオキシグルコース(FDG)を用いた検査は,胃癌を除いたすべてのがんが保険適用となっており,がんの病期分類,悪性度の予測による予後予測や再発診断,治療効果判定など,多くの場合においてその有用性が認められている。また,PET/CTは解剖学的情報と機能的情報が同時に観察できるため,FDGの異常集積部位の解剖学的情報が容易に判断できるのみならず,異常集積部位のCTによる判定も同時に可能であり,相乗的な情報が得られる。さらに,PET検査では指摘できない病変も,CTによって同時に判定可能という利点もある。
がんが疑われた場合やがんと診断された場合に,早い段階でFDG-PET/CTを行い正しく評価することは,無駄な治療や検査を回避し,その後の正しい検査と治療方針の決定に寄与するため,医療経済的にも有効であるとも考えられている。今後はさらなる装置の進歩により,より微小な病変の検出や短時間での撮影が可能となり,がん診療において,なくてはならないものとなっていくことが予想される。
また,アルツハイマー型認知症(AD)は,認知症を発症する疾患の中で最も患者数が多く,国内に約200万人存在するとされており,高齢社会が進むにつれ,その数は増加していくものと考えられている。その早期段階におけるバイオマーカーの1つとしてアミロイドβ蛋白質(Aβ)が挙げられ,これを画像化するアミロイドイメージングがPET検査で可能となっており,早期発見や正しい診断,治療戦略において,今後期待されている。

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