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抗HIV治療ガイドラインの改訂

No.4716 (2014年09月13日発行) P.49

宮崎泰可 (長崎大学第二内科講師)

河野 茂 (長崎大学第二内科教授)

登録日: 2014-09-13

最終更新日: 2016-10-26

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抗HIV治療ガイドラインは1998年度の初版以降,定期的にアップデートされてきたが,2014年3月に改訂版(文献1)が発行されたため,今回の主な変更点を記す。
HIV感染症急性期における抗HIV療法の開始基準についてはいまだ議論の余地が残されているが,海外の情勢に鑑みて,早期治療開始の推奨と治療開始後は原則として中断なく継続する旨が記載された。
初回治療は,キードラッグとして非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬,プロテアーゼ阻害薬,インテグラーゼ阻害薬から1剤,バックボーンとしてヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬の2剤の組み合わせが一般的であることに変わりはない。
新規のインテグラーゼ阻害薬エルビテグラビルがコビシスタット,テノホビル,エムトリシタビンとの合剤(スタリビルドR配合錠)として2013年5月から使用可能となった。さらに,ドルテグラビル(テビケイR錠)が2014年3月に承認され,いずれもBIレベルの推奨薬として追加された。また,これまでAIレベルの推奨であったアタザナビル+リトナビルが,ビリルビンの上昇や腎結石など副作用の問題から,BIレベルの推奨となった。
そのほか,曝露後の予防内服が3剤(以上)の組み合わせに統一されたことや,C型慢性肝炎に対するプロテアーゼ阻害薬シメプレビルの治療効果と抗HIV療法併用時の注意点などが新たに解説されている。

【文献】


1)厚生労働省科学研究「HIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究班」:抗HIV治療ガイドライン. 2014.

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