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骨粗鬆症治療の新展開

No.4715 (2014年09月06日発行) P.58

入谷 敦 (金沢医科大学高齢医学科教授)

森本茂人 (金沢医科大学高齢医学科教授)

登録日: 2014-09-06

最終更新日: 2016-10-26

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超高齢化が進行している日本において,65歳以上の高齢者人口は平成26(2014)年1月の時点で3212万人,高齢化率25.2%であり,この割合は今後も上昇を続け,平成47(2035)年には33.4%となり,3人に1人は高齢者となると推計されている。高齢者の健康寿命の延長が急務であり,内科的・精神的な健康に加えて骨・関節・脊椎・筋肉など,運動器の健康を維持することが重要である。骨粗鬆症の患者数は現在約1280万人,大腿骨近位部骨折の発症数は19万件/年に達し,増加の一途をたどっている。
近年,服薬コンプライアンスを上昇させるために長期製剤化が進んでおり,2013年2月にはビスホスホネート(BP)の経口薬リセドロン酸ナトリウム水和物の75mg製剤(ベネットR,アクトネルR)が,6月には6カ月に1回投与型の破骨細胞活性化因子RANKリガンドに対するモノクローナル抗体の皮下注製剤デノスマブ(プラリアR)が,8月には月1回静注製剤イバンドロン酸ナトリウム水和物(ボンビバR)が発売された。これら3剤はいずれも骨吸収抑制系の調剤であり,ビタミンD製剤の併用が推奨され,デノスマブでは必須となっている。
副作用などで投与できない場合は,そのほかのビスホスホネート,副甲状腺ホルモン製剤テリパラチド,活性型ビタミンD3製剤エルデカルシトールなどが候補薬となる。

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