株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

大きく変わるbasic life support:A-B-CからC-A-Bへ

No.4695 (2014年04月19日発行) P.59

久志本成樹 (東北大学救急医学教授)

登録日: 2014-04-19

最終更新日: 2016-10-26

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

国際蘇生連絡協議会は,2000年に米国心臓協会を中心に心肺蘇生法の国際ガイドライン(G)を作成し,標準的CPRの世界的普及に大きく貢献した。5年ごとに改訂されているが,新しい国際コンセンサスに基づくG 2010のポイントは何か。
G 2000では「呼吸・咳・動き」による心停止確認に対して,G 2005では呼吸のみで判断し,G 2010では「呼吸をしていないか,死戦期呼吸のみ」ならばCPRを行うこととした。「死戦期呼吸を見分け,不適切な呼吸と判断できる」ことが重要となる。最大の変更点は,蘇生の手順が従来のA-B-CからC-A-Bとなったことである。気道確保(A),呼吸確認と人工呼吸(B),胸骨圧迫(C)の順では,気道の確保後に呼吸確認を行い,感染防護具を準備し人工呼吸を行うことが優先されるため,最も重要な胸骨圧迫の開始が遅れる。
G2010では,A-Bに時間をかけず,まず胸骨圧迫(C)を30回行うこととし,早期の胸骨圧迫開始を可能とした。“心臓マッサージ”ではなく,“胸骨圧迫”と表記しているが,胸壁からの間接的圧迫法のため,G2005以降,“胸骨圧迫”が用いられている。救助者1人の場合の胸骨圧迫と人工呼吸の組み合わせも15:2から30:2となり,胸骨圧迫回数の増加と中断時間の短縮が図られている。そして,“より強く,より速く”成人の胸骨圧迫を行うことが強く推奨されている。
成人に対する圧迫の深さは約3~5cmから2インチ(5cm)以上に,テンポは約100回/分から100回/分以上にそれぞれ変更されている。

【参考】

▼Berg RA, et al:Circulation. 2010;122(18 Suppl 3):S685-705.

関連記事・論文

関連書籍

もっと見る

関連物件情報

page top