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サリドマイドの管理、医療機関が遵守状況を直接確認

No.4737 (2015年02月07日発行) P.12

登録日: 2015-02-07

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食審医薬品等安全対策部会安全対策調査会は1月29日、サリドマイドとレナリドミドの安全管理手順を変更することを了承した。調査会では、両剤の安全管理手順の見直しを議論した検討会が昨年12月に取りまとめた提言が報告された。患者の安全管理手順の実施状況を製薬企業を通さずに医療機関が確認できるようになる。
サリドマイドは胎児に障害が発生したため、1962年に販売が停止。2008年に安全対策の徹底などを条件に多発性骨髄腫の治療薬として承認された。レナリドミドはサリドマイドと類似の化学構造を持ち、同じく多発性骨髄腫の治療に用いられる。
胎児への曝露防止のため、医療関係者や製薬企業、患者には厳しい安全管理手順の徹底が求められるが、手順が患者の実態にそぐわないとの指摘や、管理が負担で医師が処方を躊躇するケースがあるとの指摘がなされていた。
現行制度では医療従事者と企業の両者が患者の安全管理手順の遵守状況を確認していたが、新たな管理手順ではまず、医療関係者が患者の遵守状況の確認と説明を行い、その結果を企業が確認する方法に変更する。患者は診療前に遵守状況を確認票に記載し、患者区分に応じた頻度で処方医に提出。処方医には記入内容を踏まえた患者への説明が求められる。
これまで製薬企業に義務づけられていた氏名や住所など患者の個人情報の登録は、必要最低限の情報にとどめる。

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