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RSウイルス感染症[私の治療]

No.5213 (2024年03月23日発行) P.47

石和田稔彦 (千葉大学真菌医学研究センター感染症制御分野教授)

登録日: 2024-03-23

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  • respiratory syncytial virus(RSウイルス)による呼吸器感染症。生涯を通じ,感染を反復する。乳児期早期の初感染で,細気管支炎,肺炎といった重篤な症状を惹起しやすい。以前は毎年冬季に流行が認められていたが,近年は,5,6月頃から流行が認められるようになってきている。

    ▶診断のポイント

    【症状】

    発熱,鼻汁などの上気道症状に続き,下気道症状が出現してくる。乳幼児では,細気管支炎に進展することが多く,呼気性喘鳴や呼吸困難症状を伴いやすい。周囲(地域や集団生活の現場)のRSウイルス感染症流行状況も診断の参考となる。

    【検査所見】

    RSウイルス迅速抗原検査は診断の確定に有用であるが,検査の保険適用は限定される〔入院中の患者・乳児(1歳未満)・パリビズマブ製剤の適応となる患者〕。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    RSウイルス感染症と診断した場合,重症度の評価を行い,外来治療か入院治療かを選択する。入院治療は,経口摂取不良,努力性呼吸や多呼吸などの呼吸困難症状,SpO2低下(<93%)などを認める場合に考慮する。低月齢や基礎疾患のある場合には重篤化しやすいため,入院治療を検討する。

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