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全身性エリテマトーデスにおけるサフネロー®の適正使用について

No.5129 (2022年08月13日発行) P.51

古賀智裕 (長崎大学大学院医歯薬学総合研究科分子標的医学研究センター/先進予防医学共同専攻 リウマチ・膠原病内科学分野)

渡部 龍 (大阪公立大学大学院医学系研究科膠原病内科学講師)

登録日: 2022-08-12

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  • 全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)におけるサフネロー®の適正使用(対象となる症例)について教えて下さい。大阪公立大学・渡部 龍先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    古賀智裕 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科分子標的医学研究センター/先進予防医学共同専攻 リウマチ・膠原病内科学分野


    【回答】

    【使用対象は疾患活動性が残存する,あるいは副腎皮質ステロイド投与量を減量したい患者】

    SLEでは,発症数年前から徐々に多様な自己抗体が上昇しますが,インターフェロンα(IFN-α)活性も診断の約2年前から上昇します1)。IFN-αは,B細胞による抗体産生の促進,制御性T細胞の機能抑制,樹状細胞の分化・増殖,単球の分化・BlyS〔B cell activating factor belonging to the tumor necrosis factor family(BAFF)〕産生の促進に関与し,SLEの病態形成に寄与すると考えられています2)。このように,Ⅰ型IFN(IFN-αを含む)は,SLEの病態に深く関与しています。

    SLE患者においてⅠ型IFNの亢進は,腎炎,関節炎,倦怠感,リンパ節腫脹,抗Sm抗体の上昇,低補体血症,ヘモグロビン減少,白血球減少およびリンパ球減少に関連していました3)。また,皮膚病変および滑膜組織におけるⅠ型IFN誘導遺伝子の発現増加も報告されています4)~9)。このようなⅠ型IFNの関与が疑われる臨床的特徴を有するSLE患者では,Ⅰ型IFNをターゲットとした治療戦略が有用と考えられます。

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