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HPVの9価ワクチンについて

No.5036 (2020年10月31日発行) P.52

上田 豊  (大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学講師)

登録日: 2020-10-30

最終更新日: 2020-10-28

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HPV(human papillomavirus)の9価ワクチンが認可されました。4価や2価ワクチンを接種済みの方に,効果を高めるために9価ワクチンを接種する場合,先行して開始された海外ではどういった方法がとられているのでしょうか。3回すべてやり直したほうがいいでしょうか。
(千葉県 K)


【回答】

【2価または4価ワクチンの接種歴のある方に接種を行う場合も,0,2,6カ月の3回の接種が望まれる】

HPVワクチンの積極的勧奨は差し控えられたままですが,9価ワクチンの薬事承認がなされたことは大変歓迎すべきことと考えられます。現在国内で使用されております2価および4価ワクチンよりHPV感染およびHPV関連疾患の予防効果が高いことが期待され,すでに2価または4価ワクチンを接種された方が,さらなる予防効果を求めて9価ワクチンの接種を希望されることもあるかと思います。

WHOのPosition Paperでは,9価ワクチンに関して9〜14歳の女児への0,6カ月の2回接種(15歳以上は3回接種)が推奨されておりますが,本邦で承認されましたのは0,2,6カ月の3回接種です。したがいまして,2価または4価ワクチンを接種された方に9価ワクチンを接種する場合におきましても,これに従う必要があると考えられます。

海外の報告では,4価ワクチン接種歴のある12〜26歳の女性に9価ワクチンを3回接種することで,HPV-31/33/45/52/58型に対する免疫原性が得られ,忍容性も高いことが示されています1)
なお,9価ワクチンの定期接種への導入については,現時点ではまだ承認されておりませんのでご留意ください。

【用法・用量】2)
9歳以上の女性に,1回0.5mLを合計3回,筋肉内に注射する。通常,2回目は初回接種の2カ月後,3回目は6カ月後に同様の用法で接種する。

〈用法・用量に関連する接種上の注意〉
接種間隔:1年以内に3回の接種を終了することが望ましい。なお,本剤の2回目および3回目の接種が初回接種の2カ月後および6カ月後にできない場合,2回目接種は初回接種から少なくとも1カ月以上,3回目接種は2回目接種から少なくとも3カ月以上間隔を置いて実施すること。

【文献】

1) Garland SM, et al:Vaccine. 2015;33(48):6855-64.

2) [https://www.msdconnect.jp/static/mcijapan/images/pi_silgard9_injnsr.pdf]

【回答者】

上田 豊 大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学講師

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