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転移性膀胱癌に対する免疫チェックポイント阻害薬

No.5029 (2020年09月12日発行) P.49

菊地栄次  (聖マリアンナ医科大学腎泌尿器外科学教授)

登録日: 2020-09-10

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 【ペムブロリズマブの有用性を確認。さらなる新規薬物治療の開発が加速】

これまで長い間,プラチナ製剤併用化学療法に抵抗を示した転移性膀胱癌に対する確立した二次治療は存在せず,タキサン系抗癌剤(パクリタキセルあるいはドセタキセル)等を単剤あるいは併用した多剤化学療法が適宜用いられていた。2017年12月に一次治療のプラチナ製剤併用化学療法後に再発または進行した,あるいはプラチナ製剤併用化学療法による術前もしくは術後補助化学療法の治療終了後12カ月以内に再発または転移した膀胱癌に対して,ヒト化抗ヒトPD-1モノクローナル抗体であるペムブロリズマブの使用がわが国で承認された。

ペムブロリズマブが使用されるエビデンスとなったKEYNOTE-045試験1)では,日本人52例を含む542例をペムブロリズマブ群または化学療法群に1:1で無作為に割り付け,有効性・安全性が検討されている。奏効率,全生存率はペムブロリズマブ群で有意に高く,副作用の発現はペムブロリズマブ群で低かった。また,奏効例においては,奏効期間の明らかな延長が認められた。

現在,転移性膀胱癌に対する新規薬物治療の開発が加速している。抗PD-1/PD-L1抗体と化学療法併用の一次治療,一次化学療法の奏効例に対する抗PD-1/PD-L1抗体維持療法,各種分子標的治療薬を用いた二次・三次治療などの臨床研究・臨床治験が進行している。今後,転移性膀胱癌に対する,さらなる治療成績の向上が期待される。

【文献】

1) Bellmunt J, et al:N Engl J Med. 2017;376(11): 1015-26.

【解説】

菊地栄次 聖マリアンナ医科大学腎泌尿器外科学教授

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