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脳科学の進歩をふまえた肥満症・糖尿病に対する効果的な食事療法とは?

No.5029 (2020年09月12日発行) P.50

浅原哲子  (京都医療センター臨床研究センター 内分泌代謝高血圧研究部部長)

益崎裕章 (琉球大学大学院医学研究科内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座(第二内科)教授/診療科長)

登録日: 2020-09-09

最終更新日: 2020-09-08

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  • 肥満症やメタボ型糖尿病患者の過食のメカニズムと,食欲を抑え糖尿病予防にも効く,効果的な食事療法を教えて下さい。報酬系などの脳科学の進歩も交えてご教示頂ければ幸いです。
    琉球大学・益崎裕章先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    浅原哲子 京都医療センター臨床研究センター 内分泌代謝高血圧研究部部長


    【回答】

     【玄米に含まれるγ-オリザノールは動物性脂肪に対する嗜好性の緩和に有用】

    血糖値の上昇や太り過ぎに良くないと理屈ではわかっていても,食べ過ぎや運動不足から脱却できないのはなぜでしょう。筆者らは肥満症やメタボ型糖尿病の病態基盤として“脳機能の異常”に注目し,脳科学と分子栄養学を用いて研究に取り組んでいます。

    動物性脂肪の過剰摂取は脳をハッキングし,自らが必要とするエネルギー量や栄養成分を判断できない脳に変えてしまいます1)。同時に,運動による脳内報酬を低下させて身体を動かす気持ちを削いでしまい,ますます太りやすくなっていきます2)。さらには腸内フローラのバランスを変容させ,発酵力の低下や消化管免疫能の減弱を生じ,肥満や糖尿病を起こしやすい体質に変えてしまいます3)。“We are what we eat”まさに“食べているものが私たち”であり,食の嗜好を決める脳内分子機構,食事内容が行動パターンに及ぼす影響に関する新知見4)が次々と明らかになってきています。

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