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■NEWS 新型コロナウイルスDNAワクチンの共同開発に着手─アンジェス・阪大

登録日: 2020-03-09

最終更新日: 2020-03-09

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DNAプラスミド製品の開発実績を持つバイオ製薬企業のアンジェスは3月5日、都内で記者会見を開き、阪大と共同で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するDNAワクチン開発に着手したと発表した。

DNAワクチンは、対象とする病原体の蛋白質をコードする環状DNA(プラスミド)を接種することで、病原体蛋白質を体内で生産し免疫を付与するもの。病原体を使用しないため、安全かつ短期間で製造可能とされている。

COVID-19に対するDNAワクチンの開発は、アンジェス創業者でもある森下竜一阪大教授(臨床遺伝子治療学)が提案。開発はアンジェスと阪大が共同で進め、製造はプラスミドDNAの製造技術・設備を持つタカラバイオが担当する。DNAワクチンをウマに接種することで、COVID-19患者の重篤化を阻止するための抗血清製剤も製造する計画だ。

会見に臨んだ森下氏は「DNAワクチンは10年以上前から12種類の臨床試験で計1400人以上の健常人に投与されており、安全性への懸念はない」とDNAワクチンの安全性の高さを強調。鶏卵法などと比べ極めて短期間で製造・供給が可能なことから、「COVID-19の国内蔓延を阻止する緊急対策に適している」とした。

ただ、臨床試験等でヒトを対象に使用できるようになるまでには最短で「6カ月はかかる」とし、それまでにCOVID-19の流行が抑え込まれれば開発を中止する可能性もあると述べた。

森下氏は加藤勝信厚労相や萩生田光一文科相から「できる限りの支援をするとの話をいただいている」とし、承認手続きの簡略化や開発費への支援に期待を示した。


DNAワクチンのメリット・開発プロセスについて解説する森下氏


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