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■NEWS 小児へのバロキサビル積極的投与「推奨しない」―小児科学会インフルエンザ治療指針

No.4984 (2019年11月02日発行) P.67

登録日: 2019-10-23

最終更新日: 2019-10-23

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日本小児科学会は1021日、201920シーズンのインフルエンザ治療指針を公表した。昨年2月に承認されたキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬の「バロキサビル マルボキシル」(商品名:ゾフルーザ)については、「12歳未満の小児に対する同薬の積極的な投与を推奨しない」としている。

指針では12歳未満の小児に対するバロキサビル投与について、使用経験に関する報告が少ないことや薬剤耐性ウイルスの出現が認められることから、「積極的な投与を推奨しない」と明記。現時点で使用制限は設けないが、「使用に当たっては耐性ウイルスの出現や伝播について注意深く観察する必要がある」との考えを示した。

免疫不全患では耐性ウイルスの排泄が遷延する可能性があるとして、「単剤で使用すべきではない」と指摘。重症例・肺炎例については、「他剤との併用療法も考慮される」としつつ、データが不十分であることから検討中だとしている。

外来でのノイラミニダーゼ阻害薬の選択に関しては、昨シーズンの方針を踏襲。タミフルの使用は、呼吸器疾患がある場合を含めてどの年代でも「推奨」としている。ただし、新生児については体重2500g未満および生後2週未満の児での知見が得られていないため、投与する場合には消化器症状等の副作用の発現に十分注意すべきとしている。「ザナミビル」(リレンザ)と「ラニナミビル」(イナビル)は、10歳以上でのみ「推奨」とし、1歳未満では「推奨されない」、1歳~4歳では「吸入困難と考える」、59歳では「吸入できると判断された場合に限る」とした。今年6月に承認されたラニナミビル懸濁液「イナビル吸入懸濁用160mgセット」については、十分なデータがないとして、見解の提示を見送った。「ペラミビル」(ラピアクタ)は、他の3剤の使用が困難な時に考慮する薬剤と位置づけている。

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