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成年後見診断書,私はこう書く③知的障害[特集:かかりつけ医のための成年後見診断書作成術[第2部]]

No.4977 (2019年09月14日発行) P.45

紅谷浩之 (オレンジホームケアクリニック理事長)

登録日: 2019-09-17

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1 知的障害をめぐる動向

厚生労働省によれば,知的障害は医学領域の精神遅滞と同じものを指し,「知的発達の障害」を表す。全般的な知的機能が同年齢の子どもと比べて明らかに遅滞し,適応機能の明らかな制限が,18歳未満に生じると定義されるものであり,中枢神経系の機能に影響を与える様々な病態によって生じるので疾患群ともいえる。

知的機能は知能検査によって測られ,IQ(知能指数)70未満を軽度,50未満を中等度,35未満を重度,20未満を最重度と分類し,重い運動障害を伴った重度知的障害を重症心身障害と表記することもある。また,適応機能とは,日常生活でその人に期待される要求に対していかに効率よく適切に対処し,自立しているのかを表す機能のことで,たとえば食事の準備・対人関係・お金の管理などを含み,年長となって社会生活を営むために重要な要素となるものである。

内閣府の調査1)によれば,知的障害者は日本国内に108.2万人いるとされ,うち96.2万人が在宅生活をしている。施設への入所者の割合は11.1%であり,身体障害や精神障害と比べて高くなっている。また,知的障害者の推移(図1)をみると,2011~16年の5年間で約34万人増加している。知的障害は発達期に診断されるものであり,それ以降,新たに知的障害が生じることはなく,身体障害者のように高齢化の影響も受けないことから,増加要因は知的障害に対する認知度の高まりによる療育手帳取得者の増加にあると考えられている。

  

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