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クラミジア肺炎[私の治療]

No.4969 (2019年07月20日発行) P.50

尾内一信 (川崎医科大学小児科学教室教授)

登録日: 2019-07-18

最終更新日: 2019-07-16

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  • ヒトに感染し肺炎を起こすクラミジアは,Chlamydia pneumoniae,C. trachomatis,C. psittaci,の3菌種である。C. psittaci肺炎は,オウム病と呼ばれ鳥類からヒトに感染し,クラミジア感染症の中では最も重症である。C. pneumoniaeは,ヒトからヒトに感染し,比較的軽症の異形肺炎を起こす。C. trachomatisは,出産のときに母親の産道で感染し,新生児期,乳児期早期に肺炎を起こす。

    ▶診断のポイント

    市中肺炎かつ異形肺炎であれば,本症を疑う。C. pneumoniae肺炎は,マイコプラズマ肺炎と症状など臨床的な特徴が類似しているが,マイコプラズマ肺炎よりも軽症のことが多い。トリとの接触があればC. psittaci肺炎が疑わしい。新生児期,乳児期早期の肺炎は,C. trachomatis肺炎を疑う。発熱を伴うことは稀であり,しばしば結膜炎を伴う。PCR法など核酸増幅法が保険収載されているのは,C. trachomatis肺炎のみである。C. psittaci肺炎とC. pneumoniae肺炎は,それぞれ保険収載されている血清診断法を使用して診断する。これら3菌種ともに核酸増幅法が保険収載されることが期待される。

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