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好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA):アレルギー性肉芽腫性血管炎,チャーグ・ストラウス症候群[私の治療]

No.4968 (2019年07月13日発行) P.50

神田浩子 (東京大学医学系研究科免疫療法管理学/アレルギー・リウマチ内科特任准教授)

登録日: 2019-07-12

最終更新日: 2019-07-09

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  • 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis:EGPA)とは,気管支喘息やアレルギー性鼻炎(好酸球性副鼻腔炎)を先行疾患とし,好酸球数増多を伴う血管炎症状を呈する疾患である。わが国の疫学調査では,男女比は1:1.7でやや女性に多く,発症年齢は40~69歳であった。従来,「アレルギー性肉芽腫性血管炎」あるいは「チャーグ・ストラウス症候群」と呼ばれてきた血管炎症候群で,2012年にチャペルヒル国際会議で「EGPA」と改称された。

    ▶診断のポイント

    症状は,先行する気管支喘息やアレルギー性鼻炎と発熱および血管炎症状である。血管炎の症状として,多発性単神経炎(90%以上),皮膚症状(紫斑など),消化器症状(消化性潰瘍・出血など),循環器障害(虚血性心疾患,心膜炎,心不全など),肺病変(好酸球性肺炎など),脳血管障害を呈することが多い。血液検査では,炎症反応高値,好酸球数増多,IgE高値,リウマトイド因子陽性,MPO-ANCA陽性(50%程度)を認める。血管炎症状を有する臓器の生検にて,好酸球浸潤を伴う壊死性血管炎,血管外肉芽腫を認めると確定診断に至る。

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