株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

■NEWS 添付文書改訂―「オプジーボ」の重大副作用に下垂体機能障害

No.4961 (2019年05月25日発行) P.68

登録日: 2019-05-10

最終更新日: 2019-05-10

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

厚生労働省は5月9日付で発出した通知で、非小細胞肺癌などに用いる免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」(一般名:ニボルマブ)など医薬品の添付文書について、「使用上の注意」を改訂するよう、製造販売各社に指示した(下掲)。

オプジーボの添付文書では、「重大な副作用」の項に、下垂体炎、下垂体機能低下症、副腎皮質刺激ホルモン欠損症等の「下垂体機能障害」を追記。異常が認められた場合には投与中止などの処置を取るよう求める。「重要な基本的注意」の項では、同薬の投与開始前と投与期間中は定期的に内分泌機能検査(TSH、遊離T3、遊離T4、ACTH、血中コルチゾール等の測定)を行うとともに、必要に応じて画像検査の実施も考慮することを呼び掛ける。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)によると、同薬との因果関係が否定できない下垂体機能障害関連症例は、直近3年度の間に11例報告され、うち1例は死亡に至っているという。

SGLT2阻害薬の重大副作用にフルニエ壊疽

2型糖尿病に用いるSGLT2阻害薬9成分の「重大な副作用」には、外陰部と会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)を新たに加える。GLP-1受容体作動薬「トルリシティ」(一般名:デュラグルチド)には、重大な副作用として「重度の下痢、嘔吐」を追記し、脱水を続発して急性腎障害に至った例も報告されている旨を周知する。

「使用上の注意」「接種上の注意」改訂の内容(201959日指示分)

デュラグルチド(遺伝子組換え)

販売名

トルリシティ皮下注(日本イーライリリー)

改訂の概要

「重大な副作用」の項に「重度の下痢、嘔吐」を追記

①イプラグリフロジン L-プロリン、②ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物、③トホグリフロジン水和物、④ルセオグリフロジン水和物、⑤カナグリフロジン水和物、⑥エンパグリフロジン、⑦テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物/カナグリフロジン水和物、⑧シタグリプチンリン酸塩水和物/イプラグリフロジン L-プロリン、⑨エンパグリフロジン/リナグリプチン

販売名

①スーグラ錠(アステラス製薬)、②フォシーガ錠(アストラゼネカ)、③アプルウェイ錠(サノフィ)、デベルザ錠(興和)、④ルセフィ錠(大正製薬)、⑤カナグル錠(田辺三菱製薬)、⑥ジャディアンス錠(日本ベーリンガーインゲルハイム)、⑦カナリア配合錠(田辺三菱製薬)、⑧スージャヌ配合錠(MSD)、⑨トラディアンス配合錠(日本ベーリンガーインゲルハイム)

改訂の概要

1.       「重要な基本的注意」の尿路感染、性器感染に関する記載の項に、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)に関する注意を追記

2.       「重大な副作用」の項に「外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)」を追記

ニボルマブ(遺伝子組換え)

販売名

オプジーボ点滴静注(小野薬品工業)

改訂の概要

1.     「重要な基本的注意」の甲状腺機能障害に関する記載の項に下垂体機能障害、副腎障害に関する注意喚起を追記

2.     「重大な副作用」の項に「下垂体機能障害」を追記

レンバチニブメシル酸塩

販売名

レンビマカプセル(エーザイ)

改訂の概要

「重大な副作用」の項に「間質性肺疾患」を追記

インフルエンザHAワクチン

販売名

インフルエンザHAワクチン「KMB」(KMバイオロジクス)、インフルエンザHAワクチン「第一三共」シリンジ(第一三共)、インフルエンザ HAワクチン「生研」(デンカ生研)、フルービックHA「ビケンHA」(阪大微生物病研究会)

改訂の概要

「重大な副反応」の「皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)」の項に「急性汎発性発疹性膿疱症」を追記

(医薬品・医療機器総合機構資料〈5月9日〉、厚生労働省通知「薬生安発0509第3号」〈5月9日〉)

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連物件情報

もっと見る

page top