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■NEWS 腎機能低下患者に常用量投与で注意喚起―医療機能評価機構

No.4940 (2018年12月29日発行) P.20

登録日: 2018-12-18

最終更新日: 2018-12-18

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日本医療機能評価機構は17日、腎機能が低下した患者に、添付文書で「減量」や「慎重投与」が必要と記載されている薬剤を常用量で投与し、悪影響を生じた事例が相次いでいるとして、注意喚起した。医師に対しては処方前に患者の腎機能を把握することを求め、薬剤師に対しては腎で代謝・排泄される薬剤を調剤する際に腎機能を確認するよう呼び掛けている。

同機構の「医療安全情報No.145」によると、腎機能低下患者に常用量の薬剤が投与され影響があった事例は、2014年1月~18年10月に8件報告されている。薬効分類別では、抗ウイルス薬が4件と最も多く、次いで抗不整脈薬が2件、広範囲経口抗菌薬と骨粗鬆症治療薬(活性型ビタミンD3製剤)が各1件となっている。

抗ウイルス薬の事例では、医師が夜間外来を受診した帯状疱疹の患者に「バルトレックス錠」(バラシクロビル塩酸塩)の処方を決め、病歴から患者が透析を受けていることは把握していたが、減量の必要があると認識しておらず、通常の用法・用量(500mg1回2錠、1日3回)を処方した。2日後、患者は呂律が緩慢になり幻視を認めたため、入院となった。

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