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■NEWS 17年の抗菌薬使用量、内服薬は減少も注射薬は増加傾向―厚労省年次報告書

No.4937 (2018年12月08日発行) P.19

登録日: 2018-12-03

最終更新日: 2018-12-03

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厚生労働省は11月29日、抗菌薬の使用状況や薬剤耐性率などの動向をまとめた2018年版の年次報告書を公表した。17年の日本におけるヒト用抗菌薬全体の使用量は13.8DID(人口1000人当たりの1日使用量)で、13年に比べ7.3%減少していたが、政府が2016年に策定した『薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン』で掲げられた「20年までに33%減」の目標には届いていない。

17年の日本におけるヒト用抗菌薬使用量のうち、約9割(12.8DID)を内服薬が占めていた。使用比率が高いのは、①経口セファロスポリン系薬(4.2DID)、②経口マクロライド系薬(3.4DID)、③経口フルオロキノロン系薬(2.6DID)―の3系統だった。ただし、その使用量は13年に比べ、それぞれ①12.2%、②13.5%、③9.1%減少していた。一方、注射用抗菌薬の使用量は13年より9.3%増加していた。高齢者の誤嚥性肺炎等に対する力価の高い注射薬の使用頻度の増加などが影響しているとみられる。

報告書では、高齢者の増加などにより、国内における非経口抗菌薬使用量の削減は「困難な状況」としつつ、経口抗菌薬使用量については「アクションプランの効果が適正使用に影響している」と分析している。

世界的に問題となっているカルバぺネム耐性の大腸菌、肺炎桿菌については、日本では1%未満の低水準にとどまっており増加傾向はみられない。これに対し、国内の大腸菌における第3世代セファロスポリン系薬とフルオロキノロン系薬への耐性率は増加傾向が認められた。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の割合も減少傾向にはあるものの、諸外国と比べると高い水準が続いている。

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