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未熟児網膜症診療の現状と治療,適応とタイミングは?

No.4932 (2018年11月03日発行) P.56

古泉英貴 (琉球大学大学院医学研究科眼科学講座教授)

日下俊次 (近畿大学医学部眼科教授)

登録日: 2018-11-02

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  • 近年は周産期管理の進歩に伴い,低出生体重児の生存率も向上しています。その際に問題となるのが未熟児網膜症ですが,未熟児網膜症診療の現状と治療の種類,また各治療の適応とタイミングをどのように考えるかにつき,近畿大学・日下俊次先生のご教示をお願い致します。

    【質問者】

    古泉英貴 琉球大学大学院医学研究科眼科学講座教授


    【回答】

    【レーザー網膜光凝固法が90%以上の症例で有効。最近,抗VEGF治療が開発された】

    未熟児網膜症は網膜血管が未発達な状態で児が出生することで,重症例では病的新生血管,増殖膜,牽引性網膜剥離をきたして失明に至る疾患で,小児失明原因の第一位を占めています。日本では出生数の減少が問題となっていますが,出産年齢の高齢化に伴い,未熟児の割合,絶対数はむしろ増加傾向にあります。未熟児網膜症による失明を防ぐには適切な時期にスクリーニングを行い,必要な児には時期を逃さず適切な治療を行うことが肝要です。

    スクリーニング時期に関して日本でのガイドラインは制定されていませんが,米国でのガイドラインを参考にして,それよりやや厳しい基準でスクリーニングを行っている新生児集中治療室(neonatal intensive care unit:NICU)が多いと思われます。スクリーニングによって未熟児網膜症が発症している,あるいは今後発症する可能性があると判断された児は定期的に眼科医が診察し,未熟児網膜症がある段階に到達した段階で治療を行います。ある段階とは米国でのガイドラインによって規定されたもので,その段階を超えて網膜症が進行してしまうと治療によるメリットがデメリットを上回るとされている病期を指します。日本を含め多くの国でこの基準が採用されています。

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