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【論点】オンライン診療─賛成か反対か

No.4921 (2018年08月18日発行) P.24

黒木春郎 (外房こどもクリニック院長)

登録日: 2018-08-15

最終更新日: 2018-08-15

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Aを選びます。オンライン診療とはビデオチャットを利用して診療する方法です。2018年4月に保険診療に組み込まれました。筆者は,オンライン診療の適応として問診と視診で診察が可能であること,医師-患者間の信頼関係が成立していることを考えます。オンライン診療により患者の利便性は向上し,医療の質は上がります。また,物理的な距離を超えた医療が実現されます。こうして,新しい地域医療概念となる可能性があります。

1 背景

オンライン診療に賛成する要素として,以下が挙げられる。

①‌患者の通院利便性を向上させる医療継続支援の方法である
②‌空間的,時間的制約を超える医療が可能となる
③‌新しい地域医療の概念を包含し,医療資源の偏在による医療へのアクセスの不均等を解消する

一方で,以下のような反対する考えもある。

①‌ビデオチャットでの診療は本来の診療の意味に反し,十分な診療が不可能である
②勝手な受診,過剰投薬を促進させる
③‌都市部や一部の医療機関に患者を奪われるといった懸念
④有効性に十分なエビデンスがない

2 医療保険でオンライン診療が提供可能に

2018年4月の診療報酬改定で「オンライン診療料」と「オンライン医学管理料」に代表される項目が新設された。これにより今後オンライン診療が,外来診療・入院・訪問診療に次ぐ4つ目の診療スタイルとして,広く普及されていくことが期待される。表1に厚生労働省の資料を示す1)

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