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ハーボニー偽造品、中身はビタミン剤などと判明 【健康被害はなし】

No.4842 (2017年02月11日発行) P.9

登録日: 2017-02-02

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C型肝炎治療薬「ハーボニー」の偽造品問題(用語解説)で厚生労働省は1日、偽造品の成分はビタミン剤などであったことを明らかにした。さらに、今回の流通ルートで偽造品を服用した患者はおらず、健康被害はないと発表した。

ハーボニーを販売するギリアド・サイエンシズ米国本社と日本の国立医薬品食品衛生研究所が奈良県内で発見された偽造品の成分を分析した結果、①複数のビタミン類を含有する錠剤、②鼻炎、感冒などの時に服用する漢方製剤の小青竜湯、③ギリアド社が販売するC型肝炎治療薬「ソバルディ」、④ハーボニー─であることが推定された。ビタミン剤と小青竜湯は薬局で誰でも購入できるため、厚労省は国内で内容物が詰め替えられたとみている。さらに、都内の卸売販売業者で発見された偽造品の成分を東京都健康安全研究センターが分析した結果、複数のビタミン類を含有する錠剤と推定された。

■服用患者と主治医に調査、肝炎ウイルス検出されず

患者の健康状態に関しては、関西メディコ社が正規卸以外の卸売販売業者からハーボニーの仕入れを始めた昨年5月以降、関西メディコ社からハーボニーを調剤され服用した患者62名(奈良県24名、奈良市33名、京都府5名)の健康状態を当該自治体が患者や家族、主治医に調査。その結果、偽造品を服用したとの回答はなく、服用を終えた患者56名からはC型肝炎ウイルスも検出されなかった。

偽造品の流通ルートもほぼ確定された。偽造品の流通経路に関与していた卸売販売業者は6社(東京都5社、大阪府1社)。このうち偽造品15ボトルの仕入れ先をたどると、都内の業者1社に絞り込まれた。この業者は偽造品を昨年末から今年にかけて購入した可能性が高いものの、帳簿は存在しない法人名が記載され、偽造品の仕入れ先は不明のままという。

今回の偽造品問題は、既に奈良県警、警視庁が捜査を始めており、厚労省の調査は「薬事監視としてできることは終わり」(医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課)として終了となる。偽造品はすべて添付文書がない状態で流通していたため、厚労省は今後、医薬品医療機器等法違反の処分を検討する。

【ハーボニー偽造品問題】:関西メディコ社が奈良県と京都府で展開する「サン薬局」の奈良県内3店舗から計5ボトルの偽造品が発見されたと先月17日に発表されて以降、23日には東京都の卸売販売業者2社から計9ボトル、1日に東京都の別の卸売販売業者から1ボトルの計15ボトルの偽造品が明らかとなった。偽造品はすべてボトルだけで外箱や添付文書がない状態で流通していた。厚労省は「薬事監視制度のもとで出来得る限りの調査をしてきた。今回の流通ルートでこれ以上の偽造品はないと思う」との見解を示している。

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