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パッチテストパネルR(S)による接触性皮膚炎診断  【取り扱いが容易でジャパニーズスタンダードアレルゲン2015に対応】

No.4790 (2016年02月13日発行) P.54

中田土起丈 (昭和大学藤が丘病院皮膚科教授)

登録日: 2016-02-13

最終更新日: 2016-10-26

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パッチテストパネルR(S)は2015年5月に上市されたパッチテストのready-to-use製品である。パッチテストは接触性皮膚炎の原因物質同定に不可欠な検査で,アレルゲンとパッチテストユニットを用意して行う必要がある。他方,欧米では両者が一体化されたTRUE(Thin-layer Rapid Use Epicutaneous)TESTRが約30年前から用いられてきた(文献1)。このTRUE TESTRの導入品として,わが国でも2009年にパッチテストテープが認可されたが,硫酸ニッケルなど6種類のみが個別に発売されたにすぎなかった(文献2)。
今回上市されたパッチテストパネルR(S)は2枚のパネルで構成され,22種類のアレルゲンが含まれている。本製品の最大の利点はその操作性であり,ポリエチレンフィルムを剝がして貼付するだけでパッチテストを施行することができる。加えて,アレルゲン量が一定なのでテクニカルエラーが生じにくい,保管用空間の節約になる,使用可能期間が長い,といった特徴も有する。本製品に加えて2種の試薬(ウルシオール,塩化第二水銀)を貼付すればジャパニーズスタンダードアレルゲン2015の検査を施行できることから,有効活用による接触原の同定,症状再発の予防が期待される。

【文献】


1) Lachapelle JM, et al:Patch Testing and Prick Testing. 3rd ed. Springer, 2012, p103-11.
2) 中田土起丈:Derma. 2013;200:9-15.

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