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齲蝕,歯髄炎

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
石田 瞭 (東京歯科大学口腔健康科学講座摂食嚥下リハビリテーション研究室教授)
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  • ■疾患メモ

    ミュータンス連鎖球菌を主とする感染症で,複数の因子が関与する多因子疾患である。環境因子,遺伝的因子も関与するので生活習慣病のひとつとしてとらえられている。

    プラーク(歯垢)は歯の表面にみられる微生物の多様な共同体であり,多様な細菌の膜状構造(バイオフィルム)である。

    バイオフィルム形成により抗菌薬から細菌は守られ,産生された酸が局所に停滞することによって歯面の齲蝕が発生する。

    高齢者は口腔内乾燥の度合いが高く,齲蝕リスクが高まる。高齢者における齲蝕は根面齲蝕が多く,進行は遅いためブラッシングにて十分に予防可能であるが,全身状態の悪化などによって急速に進行することもある。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    歯質が欠損し,ザラザラする。

    冷たいものや甘いものがしみる。

    軽度では自覚症状を認めない。

    進行により温かいものがしみてくるようになり,強い自発痛を訴えるようになる。

    就寝時に発痛し,睡眠不可能となることもある。

    【検査所見】

    医療面接を行い主訴,現病歴,既往歴などをチェックする。視診・触診にて,深さ,感染象牙質の色調,歯髄炎だと特に歯髄まで及んでいる齲蝕を確認する。

    X線検査を行い透過像の有無などを確認する。

    ほかにレーザー,青色光,電気などによる検査を適用することもある。

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