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糖尿病性昏睡

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
松田昌文 (埼玉医科大学総合医療センター内分泌・糖尿病内科教授)
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  • ■疾患メモ

    インスリン作用不足が著しい場合に高血糖となり,浸透圧利尿により脱水が惹起される。

    ケトン体産生により代謝性アシドーシスが惹起される。

    糖尿病性ケトアシドーシス,高浸透圧状態/昏睡では入院治療が必須である。

    生理食塩水で点滴をまず確保する。頻回の採血が必要となるため,ICUなどでの対応が現実的である。

    低血糖,乳酸アシドーシス,アルコール性ケトアシドーシスに関しては他項を参照のこと。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    意識低下があり,脱水により皮膚や舌が乾燥する。

    ケトアシドーシスの場合,呼吸性代償のため過呼吸(Kussmaul大呼吸)が出現する。

    腹痛や悪心を訴え,呼気にやや甘酸っぱいようなアセトン臭が出ることもある。

    【検査所見】

    血糖高値。尿糖陽性。Naは高血糖では代償的に低値になるが,脱水が顕著であれば高値となる。

    尿ケトン体陽性。血液の動脈血ガス分析で代謝性アシドーシスを評価する。

    経時的には静脈血ガス分析でアニオンギャップ([Na]-[Cl]-[HCO3],基準値12±2mEq/L)を計算し,ケトン体をモニターするか,ケトン体測定器により血中β-ヒドロキシ酪酸を直接測定する。

    血糖,Na,K,Cl,HCO3,尿量を継時的に測定する。

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