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E型肝炎

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-29
徳本良雄 (愛媛大学大学院消化器・内分泌・代謝内科学講師)
日浅陽一 (愛媛大学大学院消化器・内分泌・代謝内科学主任教授)
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  • ■疾患メモ

    E型肝炎(hepatitis E)は,E型肝炎ウイルス(hepatitis E virus:HEV)により引き起こされる急性肝炎である。

    HEVはヘペウイルス科,ヘペウイルス属に分類され,エンベロープを持たない27~34nmの小型球形ウイルスである。+鎖1本鎖のRNAを有しており,4つの遺伝子型にわかれる。遺伝子型1型,2型は主に熱帯,亜熱帯地方の水系感染の原因であり,ヒトのみに感染する。遺伝子型3型,4型はわが国を含め世界に広く存在する1)

    これまで,水系感染による輸入感染症と考えられてきたが,わが国でも3型,4型のHEVが存在しており,ブタ,イノシシ,シカからの人獣(畜)共通感染症として注目されている。

    わが国の調査では,全国的にE型肝炎は発症しているが,北海道が約40%と最も多く,西日本には少ない。北海道や東日本では,ブタのレバーなどを生や加熱不十分な状態で摂取することによる感染が多い。西日本ではブタの摂取による感染は少なく,イノシシ,シカの生食などでの感染が多い。遺伝子型の分布は北海道で4型が80%,北海道以外では3型が多い。季節による発生頻度の違いはない。

    ほとんどの患者は自然軽快するが,一部は重症化することがあるため慎重な経過観察が必要である。

    感染症法4類に分類されており,診断後速やかに保健所に報告することが求められている。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    感染後2~8週間の潜伏期間を経て発症する()。

    06_04_E型肝炎

    発症より前から血中および糞便中にHEV RNAが検出される。

    発熱,頭痛などの感冒様症状,黄疸,褐色尿,食思不振,全身倦怠感,悪心・嘔吐などが初発症状であるが,特異的な症状はない。

    IgA型およびIgM型のHEV抗体は,6カ月以内に消失する。

    ほとんどの患者は,自然経過にて治癒する。

    【検査所見】

    IgA型またはIgM型HEV抗体とHEV RNAの検出によって診断を行う。

    わが国では2011年からIgA型HEV抗体が保険収載されており,陽性であればE型肝炎と診断できる。

    IgM型HEV抗体,HEV RNAは保険適用にない。

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