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食道穿孔・破裂

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-06
小熊潤也 (東海大学医学部消化器外科講師)
小澤壯治 (東海大学医学部消化器外科教授)
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  • ■疾患メモ

    食道の全層性損傷である食道穿孔(esophageal perforation)もしくは食道破裂(esophageal rupture)は,日常臨床において我々が遭遇する頻度は決して高くない。しかし,食道はその大部分が縦隔内に位置しているため,ひとたび発症すると縦隔炎さらには膿胸へと進展し,敗血症など急速に重篤な経過をたどる危険性がある。

    食道破裂の原因は医原性が61%と最多であり,特発性15%,異物性12%,外傷性9%,腫瘍性1%,その他2%との報告がある1)。食道は胃や大腸に比べて慢性炎症の持続による病的な穿孔はほとんどなく,外的要因による穿孔,破裂が大部分を占める。医原性による食道破裂であれば,発症時に確定診断を行うことは容易である。しかし,特発性の場合Boerhaave症候群とも呼ばれ,他の胸腹部救急疾患との鑑別が時に困難で,初期対応の遅れから不幸な転機に至る症例もある。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    一般的な症状としては胸痛,呼吸困難,嚥下困難,腹痛,皮下気腫,発熱などがある。

    特発性食道破裂は,嘔吐後の発症が多い。特に大量飲酒後に多い。

    【検査所見】

    血液生化学検査:白血球上昇,CRP上昇がみられる。ただし,本疾患に特異的な所見はない。

    胸部X線:胸水貯留,縦隔気腫,気胸など。

    食道造影:造影剤の食道外への漏出により食道穿孔・破裂の確定診断には必須の検査である。穿孔の程度や部位の特定にも有用である。特発性食道破裂は,胸部下部食道左壁が最も多い2)

    CT:縦隔や胸腔内への影響を確認する。初期治療が奏効しなかった場合に,ドレナージの部位や経路などを決定する上でも有用である。

    胸水穿刺:胸水貯留例では胸水穿刺により,食物残渣の貯留,pH<6への低下,S型アミラーゼの上昇は食道破裂を強く疑う所見である。

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