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「大学病院の調整会議への積極的な関与が重要」【全国医学部長病院長会議・山本氏】

登録日: 2017-06-21

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全国医学部長病院長会議(新井一会長)は19日に定例会見を開き、大学病院の医療に関する委員会の山本修一委員長(千葉大)が地域医療構想について「(策定に)大学病院自体が積極的に関与してこなかった点は反省すべき」と述べた。

「大学病院全体で地域医療構想の概念を共有する必要がある」と述べる山本氏

同会議はこれに先立つ5月26日、地域医療構想の策定過程で大学病院の特殊性が十分考慮されていないことが懸念されるとして、「地域医療構想における大学病院本院の位置づけに関する提言」を厚生労働省に提出している。提言には、①大学病院本院の地域医療構想における位置づけを明確にすること、②大学病院本院が「地域医療構想」における構想区域を超えた、より広範囲の地域の住民を対象として、専門性の高い医療を提供していることから、その実情を踏まえ、地域医療構想調整会議において、その担うべき役割について十分に議論すること、③大学病院本院が所在している構想地域及びその周辺の地域医療計画においては、それを配慮して地域の病床構想を検討すること、④大学病院本院からの病床機能報告については、地域の他施設の病床と単純に合算するような対応は行わず、その特殊性を十分勘案した上で、集計するように配慮すること―の4点を盛り込んだ。

一方、この提言を説明した2日の「地域医療構想に関するワーキンググループ」では、全病棟を高度急性期と報告している事例が多いことなどから、複数委員が地域医療構想や病床機能報告制度に対する大学病院の理解が不十分と指摘。実態を反映した報告と調整会議への参加を求める声が相次いだ。

こうした状況を踏まえ山本氏は、病床機能報告制度への理解が不十分であった点を認め、「偏った報告がされている」との見方を示した。その上で、大学病院が担う役割は地域によって大きく異なるとし、特殊性を担保するために「各大学病院が地域医療構想に積極的に関わり、調整会議の中心となってその地域における特定機能病院が担う医療機能について議論を進めていくことが重要」と強調。周知を促していく意向を示した。

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