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医療事故の報告判断、「地域の支援団体に相談を」【医学部長病院長会議】

No.4853 (2017年04月29日発行) P.12

登録日: 2017-04-19

最終更新日: 2017-04-25

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全国医学部長病院長会議「大学病院の医療事故対策委員会」の有賀徹委員長は17日の会見で、医療事故調査制度の運用に関する要望書を、日本医療安全調査機構(機構)、日本医師会などに提出したと発表した。医療機関が医療事故の報告判断で迷った場合、機構に相談するのではなく、「都道府県医師会など地域の支援団体に任せることが正しい」としている。

同会議は昨年9月、機構に対し、事故調査報告書が係争の具として利用されることが明らかな場合、法に規定された作業を行わないよう要請している。

今回の要望書では、医療事故が発生した場合、「院内事故調査が原則」とし、「日常的な医学の方法論に沿った医学的な検討こそ重要」との認識を提示。院外からの専門医の招聘は「院内事故調査の法的な条件となっているわけではない」と強調している。また、機構が厚生労働省から財政支援を受けており、事業評価に報告件数の多寡が影響することから、機構による報告対象の判断は「利益相反状態に陥っていることを否めない」と指摘している。

会見で有賀氏は「院内事故調査は医療者の倫理規範の延長上の行為。中立性などの価値判断を持ち込むことは、法の趣旨から外れている」と述べた。



「機構は相談を受けても、地元で対応してもらうよう回答するのが筋だ」と話す有賀氏

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