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介護サービスの収支差率が低下 【介護事業経営概況調査】

登録日: 2017-01-06

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厚生労働省は12月28日、2014、15年度の介護事業経営概況調査の結果を社会保障審議会介護給付費分科会に報告した。2015年度の介護サービス全体の収支差率は平均3.8%と2014年度の4.9%から1.1ポイント低下したことが明らかになった。

調査は2018年度介護報酬改定の基礎資料を得るため、個々のサービス費用の実態を明らかにすることが目的。全国1万6280施設に対して事業の実施状況、支出・収入の状況などを調査した。従来は改定後1年間のみを調査していたが、今回の調査から改定前後の2年間に対象期間を拡大した。

前回調査と比較可能な20サービスのうち、福祉用具貸与などを除く16サービスで収支差率が減少していた。介護保険施設三施設の収支差率は、介護老人福祉施設が3.0%から2.5%(前回調査の2012年度は7.5%)、介護老人保健施設が3.9%から3.2%(同6.7%)、介護療養型医療施設が6.1%から3.7%(同8.4%)と改定前後でいずれも低下した。

2015年度介護報酬改定では介護サービスの収支差率が中小企業に比べて高いことを理由に財務省がマイナス改定を主張し、2.27%の引下げに決着した経緯がある。多くの介護サービスで収支差率が低下した理由について厚労省は「前回の改定率が影響しているものと考える」とし、直近のデータで中小企業の収支差率が上昇していることから「おおむね中小企業並みになっている」との見方を示した。

28日の介護給付費分科会では、「かつての高い収支差率を前提に借入金の返済を計画しており資金繰りが回らない状況だ」(東憲太郎委員)として改定の財源の確保を求める意見が出た。

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