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サイレントMRIの特徴 【静音化に加えてアーチファクトを大幅に低減した画像の収集が可能に】

No.4807 (2016年06月11日発行) P.53

鈴木通真 (順天堂大学放射線診断学准教授)

登録日: 2016-06-11

最終更新日: 2016-10-26

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MRI撮影で発生する大きな音は患者にとって大きな負担となり,各メーカーが静音化に向けた対策を講じてきた。2013年にGEヘルスケアから発表されたサイレントMRIはそのひとつである。
本法は,独自のSilenzというアルゴリズムで実行される撮影方法で,環境音+3dB以下での撮影を可能にしている。騒音の原因は装置内のコイルに流れる電流の切替えによるコイルの振動にあるが,本法ではある一定時間傾斜磁場を均一に行って静音化を実現している。このアルゴリズムでは超短エコー時間(ultrashort-TE)での撮影が可能となり,RFパルス照射からデータ収集までの時間が非常に短く(0.018ms),位相分散のきわめて少ない画像が得られる。また,近傍の空気や骨,金属のアーチファクトを極力抑えたデータの収集が可能である。これに加えて,頸部血管内の血液にラベル付けを行うことで,流れの方向に依存せず,乱流・渦流・層流などによるアーチファクトを大幅に低減した画像(silent MRA)が収集できるようになった。
以上の特徴を生かして,当院ではsilent MRAを脳動脈瘤に対するコイル単独・ステント支持下コイル塞栓後などに利用している(文献1)。体内に留置される金属のアーチファクトが少ないため,特に脳動脈瘤術後では微細な術後再発も検出できるようになっている。このほかにも,流れの方向に依存せず,細かな血管を実際の流れに忠実に描出できるため,もやもや病や硬膜動静脈瘻などに適応を拡大している。

【文献】


1) Irie R, et al:AJNR Am J Neuroradiol. 2015;36(5):967-70.

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