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「アナフィラキシーガイドライン」の発表

No.4743 (2015年03月21日発行) P.55

粒来崇博 (国立病院機構相模原病院アレルギー科医長)

登録日: 2015-03-21

最終更新日: 2016-10-26

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命に直結するアレルギー疾患としてアナフィラキシーが知られている。アナフィラキシーは,何らかの原因に対して急激なアレルギー症状のために全身の紅斑,瘙痒感,喉頭浮腫,血圧低下などの全身症状を呈する病態である。アナフィラキシーの原因の多くは食物,薬剤であるため,すべての医療現場で発生する可能性がある。発症後30分以内の喉頭浮腫による窒息と,ショック症状に対する対応が適切にできるかどうかで致死的となるかが決まるため,すべての医療者が初期対応できなければならない。
なぜか同疾患についてのガイドラインは,わが国にはなかったが,2014年に日本アレルギー学会より,「アナフィラキシーガイドライン」が公表された。(1)全身の紅斑,瘙痒感+呼吸器症状(喘鳴,呼吸困難など)あるいは循環器症状(血圧低下,ショック)がある場合,(2)アレルゲンとなりうるものの投与直後の皮膚・粘膜症状,呼吸器症状,循環器症状,神経症状,腹部症状(腹痛,下痢)がある場合,(3)アレルゲン投与後の急速な血圧低下がある場合,のいずれかがあれば速やかにアナフィラキシーの対応を行う。対応の中心は,アドレナリンの筋注と呼吸循環の確保である。
本ガイドラインでは図表を多く取り入れ,簡潔明快に記載されている。日本アレルギー学会のホームページからダウンロードが可能である。

【参考】

▼ 日本アレルギー学会, 編:アナフィラキシーガイドライン. 2014.
[http://www.jsaweb.jp/modules/journal/index. php~?★content_id=4]

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