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悪性胆道狭窄による閉塞性黄疸治療のパラダイムシフト

No.4717 (2014年09月20日発行) P.56

木村康利 (札幌医科大学消化器・総合,乳腺・内分泌外科准教授)

登録日: 2014-09-20

最終更新日: 2016-10-26

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悪性胆道狭窄に対し,これまで胆道消化管バイパス術(肝/胆管空腸吻合),経皮経肝胆道ドレナージ術(PTBD),内視鏡的胆道ドレナージ術が行われてきた。PTBDは2000年前後に,内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術(ENBD)と内視鏡的胆管ステント留置術(EBS),自己拡張型金属ステント(SEMS)留置術に主役の痤をゆずった(文献1,2)。SEMSはプラスチックステントに比して開存率と再処置施行率で優位とされている(文献2)。
さらに,SEMSを利用した超音波内視鏡下瘻孔形成術(EUS-BD)が,超音波内視鏡ガイド下に経消化管的に胆道にアプローチし,ドレナージを行う手技として提案された。本手技は,原則として乳頭へ到達困難な症例において,PTBD,外科治療に並んで考慮される治療選択肢の1つとして脚光を浴びている(文献3)。本手技による短期的有効性の報告は多数あるが,長期成績と安全性,手技の標準化,偶発症の予防策などについてはいまだ成熟途上と考えられ,日本消化器内視鏡学会を主軸に,関連4学会から施行に際しての提言がなされている(http://www.jges.net/index.php/member_submenu/archives/356)。

【文献】


1) 胆道癌診療ガイドライン作成出版委員会 編:エビデンスに基づいた胆道癌診療ガイドライン. 医学図書出版, 2007.
2) Hong WD, et al:Clin Res Hepatol Gastroenterol. 2013;37(5):496-500.
3) Weilert F:Surg Endosc. 2014 May 31. [Epub ahead of print]

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