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がん標準治療おおむね9割で実施 [国立がん研究センター]

No.4807 (2016年06月11日発行) P.11

登録日: 2016-06-11

最終更新日: 2016-12-06

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国立がん研究センターのがん対策情報センターは、がん患者に対する標準治療の実施率調査の結果を発表した。高齢や患者要因など妥当な理由を加味すると、実施率はおおむね9割を超えていた。
調査は全国232施設(がん診療連携拠点病院217施設、院内がん登録実施病院15施設)を対象に、2012年にがんと診断された患者31万2381人について調査。診療をDPC、レセプトデータで収集し、9種類の標準治療実施率を算出した。56施設には未実施の理由も調査した。調査は昨年の試験的調査に続き2回目。その結果、乳がんの再発高リスク症例に対する術後補助療法が33.3%と最低だった一方、肝がんの肝切除前のICG測定が91.6%と最も高かった。前回調査に比べて実施率に大きな変化はなかった。
未実施の理由として上がった「高齢」や「全身状態など患者要因」という妥当な理由の症例を「実施」に含めると、9項目中6項目で90%を超えた。ただ、乳がん再発高リスク症例の術後補助療法は60%前後にとどまった。
この結果を受け、国がんは「診療の質の向上を図るため、未実施理由の妥当性を個別に検討できる体制を構築していく」としている。

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