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コレステロール制限、「健常者は必要なし」 [動脈硬化学会]

No.4750 (2015年05月09日発行) P.8

登録日: 2015-05-09

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日本動脈硬化学会(佐藤靖史理事長)は1日、会見を開き、健常者においては食事中のコレステロール摂取を制限する必要はないとの見解を発表した。
米国農務省の諮問委員会が今年2月に策定した食事指針や、厚生労働省の『日本人の食事摂取基準(2015年版)』で、「食事中コレステロールと血中コレステロールの関連性を示す明確なエビデンスはない」として摂取制限が撤廃されたことを受けたもの。
日本動脈硬化学会の見解では、米国の指針等に賛同しつつ、「高LDLコレステロール血症患者にも当てはまる訳ではない」と指摘。血中コレステロールを減少するには、脂肪酸のバランスにも留意するよう求めている。
動脈硬化性疾患予防に効果的な食事については(1)脂肪エネルギー比率20~25%、飽和脂肪酸4.5%以上7%未満、コレステロール摂取量200mg/日未満、(2)n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取を増やす、(3)炭水化物エネルギー比率50~60%、食物繊維の摂取を増やす―などとすることを推奨。具体的な食事療法には「伝統的な日本食」を勧めている。
同学会の藤岡由夫評議員(神戸学院大教授)は会見で、栄養指導を行う医師などに対し、「食事による血中コレステロールの上昇は個人差が大きく、食事内容は季節ごとに変わる。半年~1年程度かけて採血結果等を見ながら、血中コレステロールを上げやすい食材を探ってほしい」と呼びかけた。


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