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【PR】1回の検体採取で2つの検査を行うことができる診断キットを活用し患者・スタッフの負担軽減を実現

No.5257 (2025年01月25日発行) P.8

登録日: 2025-01-27

最終更新日: 2025-01-24

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新型コロナの出現をきっかけに、感染症の流行時期が例年の傾向から外れるケースが増加した。季節を問わない流行が見られる状況下で、特に感染症診療の機会が多い小児科では、診断や検査の効率化が求められるようになっている。今回は、1回の検体採取で2種類の検査が可能な迅速診断キットの導入により、検査を受ける患者と、診断や検査を行うスタッフの負担軽減を実現したクリニックの事例を紹介する。

静岡県田方郡にある「函南平出クリニック」は、平成2年の開業以来30年以上にわたり、一般診療に加え、予防接種・乳幼児健診・病児保育など小児医療全般を担い、地域の親子から信頼を集めてきた。院長の平出由宇さんは平成20年に島根大医学部を卒業後、国際医療福祉大学熱海病院での初期研修を経て、順天堂大小児科に入局。小児科専門医を取得し、順天堂大学静岡病院や神栖済生会病院、キャップスクリニック亀有などでキャリアを重ね、令和元年に同院の院長へ就任した。

地域のかかりつけ医として「なるべく長い時間、幅広く患者を受け入れていく」というコンセプトを掲げ、1日に平均100名前後の患者が受診するという同院は、朝の8時半から平日は18時、土曜は17時まで診療を受け付けており、日曜・祝祭日も地域のクリニックと連携して交代制で診療を行っている。

「子どもは大人と違って自分の体調を把握してコントロールしたり、不調の予兆を感じて伝えたりすることができないため、どうしても突然体調を崩すことが多いです。通院して体調がよくなったそばから、保育園や幼稚園、学校で別の感染症をもらってしまうといったことが多いのも小児科の特性です。だからこそ『みんながいつでも来やすいクリニック』でいるように心がけています。地域の子どもたちが、朝だから、夜だから、休みの日だからクリニックにかかれないという状況にはしたくないと考えています」(平出さん)

コロナ禍で感染対策のオペレーションが変化

同院では、感染症の疑いや発熱のある患者のために、正面入口とは別の専用入口を設けている。駐車場からそのまま専用入口に入ることができ、受付から診察までを隔離されたまま行い、場合によっては会計まですべてを一般の患者とは別のエリアで済ませることができる(写真)。院長に就任してから、コロナ禍も経験した平出さんは、小児科クリニックの感染症対策についてこう語る。

「調子が悪くなって受診してきて、医師が診て正しい治療をするという、医療の本質的な部分はコロナ禍以前から何も変わっていません。コロナという新しい感染症の流行によって、医療機関で必要な対策や保護者の意識が変わってきているので、オペレーションの部分で工夫が求められるようになったと感じています」

患者もスタッフも負担が軽減

冬になると感染症の疑いのある患者の受診が非常に増えるという同院が導入したのが、検体抽出液の共用が可能なA群溶連菌、アデノウイルス迅速診断キットだ。同診断キットの活用で、これまで検査ごとに検体(咽頭ぬぐい液)の採取が必要だった溶連菌やアデノウイルスの検査において、1回の検体採取で2つの検査を行うことが可能になった()。従来の診断キットと比較すると反応時間が5分と短く、抽出操作もシンプルになったことから、医師や看護師らが行う診断・検査のオペレーションを簡略化し、患者の負担も減らすことができたという。

「のどの所見から溶連菌を疑って検査したが陰性だった場合、その他の症状からアデノウイルスの可能性を検討することも多いです。今まではアデノウイルスも調べようとすると、もう一度検体を採取しなければいけませんでした。代理店からの紹介でこの診断キットに切り替えてからは、同じ抽出液を使用できるようになったので咽頭ぬぐい液をもう一度採取する必要がなく、診察・検査時間を短縮することができました。風邪症状の場合、症状と地域の流行によって溶連菌、アデノウイルス、インフルエンザ、新型コロナウイルスなどからあたりをつけて検査を行っていますが、ピークの時期は1日に10回以上この診断キットを使って検査をするときもあります。当院のような小児科では、感染症の検査数が非常に多く、特に看護師たちの作業負担の軽減が課題でした。1つの抽出液で2つの検査ができるようになったことで、負担が減ったという声が多くあがっています。検体は子どもの患者を抑え込んで、のどの奥から採取する必要があるので、採取の回数が減ることで検査を受ける子どもや保護者の負担も軽減することができています」

小児科ならどこでも導入するメリットがある

都市部と地方の小児科診療を経験してきた平出さんは、現在の社会情勢を受けてこう語る。

「特に地方では少子化の進みを顕著に感じますね。そうした中でクリニックがすべきことは、やはり広く患者を受け入れることができる体制を作ること、そして今後も維持していくことだと思います。都会でも田舎でも、子どもたちがかかる病気は同じです。小児科は感染症を検査する機会が非常に多いので、オペレーションの手間を減らせる診断キットは、小児科診療に携わるすべてのクリニックで導入するメリットがあると思います」

 

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