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■NEWS 長期収載品の保険給付範囲見直しで患者負担水準のあり方などを議論―中医協

No.5199 (2023年12月16日発行) P.70

登録日: 2023-12-08

最終更新日: 2023-12-11

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中央社会保険医療協議会は121日、長期収載品の選定療養化について、制度設計の詳細を議論した。長期収載品の処方・調剤で保険給付となる場合と選定療養となる場合の線引きや、選定療養として患者から追加負担を求める水準、選定療養の対象になる長期収載品の範囲―などが論点になった。

保険給付と選定療養の線引きでは、厚生労働省が(1)銘柄名処方か一般名処方かを問わず、後発医薬品を調剤した場合は保険給付とする、(2)医師が変更不可の処方箋で長期収載品を銘柄名処方し、その理由が医療上の必要性である場合は保険給付とする―ことを基本的な考え方として提示。その上で、①患者の希望で長期収載品を銘柄名処方した場合、②医師は一般名または後発医薬品の銘柄名(変更可)で処方したが、患者の希望で長期収載品を調剤した場合、③後発医薬品を確保できずにやむを得ず長期収載品を処方・調剤した場合―の対応について、総会に検討を求めた。

選定療養として追加負担(選定負担)を求める水準の検討では、(ア)国が定める標準額をどの程度にするか、(イ)長期収載品の薬価を超えて選定負担を徴収することを認めるか、(ウ)選定負担を徴収しないことや、標準額より低い額での徴収を認めるか―を論点として提示。後発医薬品は同一成分内に3つの価格帯が存在するため、このうちのどれを後発医薬品の基準額として採用するかについても検討を求めた。

選定療養の対象となる長期収載品の範囲については、後発医薬品上市後の年数や後発医薬品への置換え率などを踏まえながら、具体策の検討を進めることを提案した。

選定負担は負担増の抑制と後発品の使用促進を両立できる水準に設定へ

これらの提案に対して各側から様々な意見が示されたが、a)選定負担は患者の負担増に配慮しつつ、後発医薬品選択のインセンティブになる水準に設定する、(b)長期収載品の薬価を超えて選定負担を徴収することには反対、(c)後発医薬品の基準薬価は最高薬価とすることが望ましい、(d)患者の希望で長期収載品を処方・調剤する場合は選定療養とする、(e)後発医薬品への置換え率が一定割合以上の長期収載品を選定療養の対象とする―といった点では概ね一致をみている。

このほか診療側は今回の選定療養化の対象を院外処方の場合に限定し、院内処方や入院医療は除外するよう要望した。

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