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■NEWS 介護ロボットで「直接介護」「巡回・移動」の時間が10%効率化

登録日: 2023-05-12

最終更新日: 2023-05-12

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厚生労働省は427日の社会保障審議会介護給付費分科会に、「介護ロボット等による生産性向上の取組に関する効果測定事業」の結果を報告した。見守り機器を活用した夜間の見守りでは、職員が「直接介護」や「巡回・移動」に費やす時間が10%以上減少するなど、一定の業務効率化効果があることが示唆された。

事業では、(1)見守り機器等を活用した夜間見守り、(2)介護ロボットの活用、(3)介護助手の活用―などによる介護職員の業務内容の変化や、ケアの質が機器等の導入後も適切に確保されているかを検証した。

このうち(1)では202022年度までの3カ年分の結果を合算して分析したところ、「直接介護」と「巡回・移動」の時間は、見守り機器の導入率50%の施設で13.9%減少。導入率80%の施設では14.6%、導入率100%の施設では11.7%それぞれ減少した。導入による入所者のケアの変化については、「利用者の状況が可視化できる」、「より適切なタイミングでケアができる」と回答した職員が多かった。

■「移乗」は時間に変化なし、「排泄」は効果あり

2)では移乗支援機器や排せつ支援機器などの導入影響を調べた。それによると、移乗支援機器を導入した施設では腰痛の状態が「中程度痛い~ひどく痛い」職員の割合がやや減少したものの、移動・移乗・体位変換に要する時間は、導入前とほとんど変わらないか、微増した。これに対して排せつ支援機器を導入した施設では、(1)利用者の状況が可視化できるようになった、(2)トイレ誘導時に排せつがなかった回数が減少し、適切な排せつ支援につながった―などの効果が認められた。

(3)では間接業務(配膳・下膳、リネン交換、居室清掃など)を介護助手に移管し、介護職員が入所者のケアに注力できる環境を整えた結果、入所者の発語量や笑顔になる頻度などが増加した。

■介護ロボットの使いこなしや家族への説明には課題も

一方で、職員や入所者家族を対象にした匿名調査には、「介護ロボットを使いこなすのが難しい」といった職員の意見や、「介護ロボットがどのように活用されているのかわからない」といった家族の意見が寄せられ、ロボットの使い勝手や家族への説明などの点で課題があることが明らかになった。実証事業の結果は、次期介護報酬改定に向けた検討で介護現場の生産性向上の取組について議論する際のエビデンスとして活用される見通し。

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