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麻しん報告数急増、昨年1年間を上回る 【国立感染研】

No.4820 (2016年09月10日発行) P.12

登録日: 2016-10-13

最終更新日: 2016-10-19

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国立感染症研究所は6日、8月28日までの麻しんの累積報告数が41例となり、昨年1年間の報告数(35例)を上回ったと発表した。麻しんを巡っては、関西空港内の事業所職員を中心に集団感染(表)が続いている。


厚生労働省の「麻しん排除認定会議」(座長=岡部信彦川崎市健康安全研究所所長、写真)は8月31日、「感染が関西空港を中心に拡大する恐れがある」として注意喚起を行っている。厚労省などによると、関西空港から海外へ渡航し、帰国後の8月14日に幕張メッセ(千葉市)で開かれた大規模コンサート参加後に麻しんと診断された男性と、同じく麻しんと診断された関西空港職員からは同じH1型ウイルスが検出されており、「関西空港が感染の大きなきっかけとなった可能性が高い」(岡部座長)という。

■小児科医以外にも警戒呼びかけ

岡部座長は、7月末以降の患者の多くが成人であることから、医師に対し、「小児科以外で麻しんを診る機会は少なくなっているが、患者は内科、皮膚科、救急外来を受診する可能性もある。患者に発熱・発疹等を認めたら『関西空港』などをキーワードに麻しんを疑ってほしい」と呼び掛けた。

医療機関の対応に関しては、日本環境感染学会が2日、必要な感染対策の確認と、職員の予防接種歴や抗体価などを踏まえた対応の検討を要請。疑い患者が受診した際には、①予防接種歴・行動歴・渡航歴の聴取、②疑い患者の隔離や空気感染予防策の実施、③保健所への報告と接触者対応などについての相談─を行うよう求めている。

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