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【識者の眼】「オミクロン株のまん延期の『濃厚接触者』の対応について」和田耕治

No.5108 (2022年03月19日発行) P.57

和田耕治 (国際医療福祉大学医学部公衆衛生学教授)

登録日: 2022-03-10

最終更新日: 2022-03-10

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オミクロン株の出現により、感染の広がりがさらに早くなり、同居家庭の中で全員が感染という状況も珍しくない。2022年2月24日の厚生労働省アドバイザリーボードでも「濃厚接触者に関する作戦転換」が提案された(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000901902.pdf)。濃厚接触者の対応について2つ私見を述べる。

1. 企業や医療機関、学校で濃厚接触者の特定が過剰になっていないか確認を

濃厚接触者については、「誰が」特定するかと、「誰を」対象にするかが鍵となる。「誰が」については、まん延期に保健所は高齢者施設や医療機関が優先となる。そのため、保健所を待つのではなく、「自分たち」で考えることになる。

「誰を」濃厚接触者にするかだが、まじめに対応していただいているところほど、多めに対象にしている。それによって、仕事が回らないのではないかと困っていることもある。

そのため、まずは、濃厚接触者に該当する人を増やさないために、マスクを外すような場面(食事や会議)を減らすか、感染対策をしたい。体調確認として咽頭痛、咳、発熱があれば休んでいただくことは全体で継続したい。

現在、職場などで感染対策が行われているので、同居の家族と比較すると濃厚な接触というのはかなり限定的とも考えられるが、濃厚接触者として休ませる対象は最低限にできないかを考えていただきたい。

2. 同居の家族が発症している場合は濃厚接触者としての対応は必要

家庭の形は様々であるが、最近、数として多いのが、12歳未満の子どもとの同居の中での感染の広がりである。食事や寝室などで接触する場面が多い。

同居家族の新型コロナの感染がわかった、または発症している場合は、濃厚接触者としての対応は必要になるであろう。しかし、この場合には、隔離期間が長くなることは課題である。たとえば親に症状がない場合は、子どもの感染がわかり、自宅の中でも感染対策をしていれば、その日をゼロ日として7日間は職場に出てこないようにする考え方もある。職場としても、復職にあたって陰性証明書を求めたり、再度検査を受けるよう求めたりということはできるだけ避けたい。

復帰の際には、検温や症状を確認しつつ、本人はマスクをして、すぐに会食に行くということがないように健康管理を徹底する。

以上、今後の感染拡大も想定して、やや過剰な対応は再考して事業を継続する。しかし、家庭の中での感染の場合は慎重に、ということである。

※2022年3月9日に執筆しました。

和田耕治(国際医療福祉大学医学部公衆衛生学教授)[新型コロナウイルス感染症]

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