株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

血尿[私の治療]

No.5062 (2021年05月01日発行) P.91

鈴木 泰 (岩手医科大学岩手県高度救命救急センター准教授)

登録日: 2021-05-04

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 血尿は肉眼的血尿と顕微鏡的血尿に大別される。持続する肉眼的血尿は高度貧血の原因となりうるので,血尿の原因を早期に診断し,治療を行うことが重要である。ここでは,救急診療で遭遇する肉眼的血尿の治療について述べる。

    ▶病歴聴取のポイント

    まず,患者の年齢や性別以外に既往歴や内服状況(抗凝固薬等)を把握する。肉眼的血尿をきたす患者では,出血性膀胱炎が原因であることも多く,頻尿,排尿時痛,残尿感などの膀胱刺激症状が存在したかを聴取する。無症候性血尿の場合,膀胱腫瘍なども鑑別に挙げなければならない。また,外傷の有無や栄養状態(ビタミンK欠乏のリスク)についても把握する。

    腹痛・嘔吐の有無やその既往が存在したかも聴取する。また尿閉など自排尿の有無や下腹部の痛みの有無を確認する。
    膀胱留置カテーテルの有無にも注目する。尿中pHがアルカリ化する場合,膀胱内感染結石の存在も疑わなければならない。

    ▶バイタルサイン・身体診察のポイント

    【バイタル】

    高度の肉眼的血尿継続の場合,出血性ショックになる可能性もあり,血圧,脈拍,意識レベル,呼吸数などを測定する。また体温も重要で,尿管閉塞(結石嵌頓など)など,発熱をきたす閉塞性腎盂腎炎併発を見逃してはならない。高齢者や長期臥床患者では閉塞性腎盂腎炎から急速に敗血症に移行するため,注意が必要である。意識レベルや血圧,体温,呼吸数なども押さえておくことが大切である。

    【身体診察】

    凝血塊による膀胱タンポナーデの状態で,下腹部に膀胱腫瘤がないか触診する。また,両側肋骨脊椎角叩打痛の有無を確認し,腹痛や側腹部・背部痛などを触診で評価する。

    残り1,990文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    関連書籍

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top