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バーキットリンパ腫[私の治療]

No.5053 (2021年02月27日発行) P.45

錦織桃子 (京都大学大学院医学研究科血液・腫瘍内科学講師)

登録日: 2021-02-27

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  • バーキットリンパ腫は,増殖スピードがきわめて速いリンパ腫であり,初期対応が遅れると致命的となりうるため,速やかに診断を進め治療を開始する必要がある。かつては予後不良な疾患とされていたが,強力化学療法による治療成功例での晩期再発はほとんど認めないことから,適切な治療により治癒をめざすことが治療の目標となる。

    ▶診断のポイント

    腫瘍量を反映してしばしばLDHが急速に上昇し,尿酸やクレアチニンの上昇を伴うこともある。細胞診ではN/C比が高く,好塩基性の細胞質に空胞を伴う中型の腫瘍細胞を認める。腫瘍組織はほぼ腫瘍細胞のみで占められ,starry skyと呼ばれるマクロファージの腫瘍細胞貪食によって生じた空隙が散在する像を呈する。染色体検査ではc-MYC転座陽性が本疾患の指標となる。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    迅速に全身評価と病型診断を行い,極力早期に化学療法を開始できるよう努める。進行病期では骨髄浸潤や中枢神経浸潤をしばしば認め,骨髄や髄液検査で速やかに診断に至る場合もある。増殖スピードは速いが,典型例では抗癌剤感受性は良好であることから,たたみかけるように治療を行い,腫瘍量を速やかに減らすことが治療の鍵となる。B細胞リンパ腫に一般的に用いられるR-CHOP療法では治療成績が劣ることが知られ,若年患者には(modified)CODOX-M/IVAC療法1),中高年患者にはhyper-CVAD/HD-MA療法2)やDA-EPOCH療法3)が適用される。リツキシマブも用いられるが,腫瘍崩壊症候群のリスクが高い疾患であることから,特に高腫瘍量の場合はリツキシマブから開始することは避け,ステロイドや抗癌剤による治療を優先する。小児にも発症しうる疾患であり,同様の治療戦略に基づく多剤併用化学療法が用いられるが,不妊症などの晩期毒性に配慮した薬剤選択や,リスクによる治療の層別化が検討される。また,中枢神経浸潤に対する予防策も重要であるが,腎障害や胸腹水を生じている時期にメトトレキサートを使用すると排泄遅延をきたす危険性があり,このような場合は治療の進め方を工夫する必要がある。

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