2年の任期を終え、全国医学部長病院長会議の会長を16日に退任した。「激動の2年でした」と語るように、任期終盤には東北地方への医学部新設問題が浮上した。
政府は東日本大震災の復興支援と医師不足解消のため、17年度にも東北地方に医学部を新設する方針だが、同会議は一貫して反対の立場だ。「一番の問題点は教員の確保です。地方の中小自治体病院などでは経験のある医師1人が抜けることで地域医療を崩壊させてしまう恐れがあります」と憂慮する。「東北地方でも新設に賛成している市町村のトップはわずかなのに、なぜ新設する必要があるのか理解できません」
医師不足に対応するため文科省は2009年度から医学部定員を増やし続けており、推計では20年にはG7 諸国の平均医師数に到達する。「早晩定員を減らす必要が出てきます。増加した医師をどう適正に配置するかを議論すべきではないでしょうか」
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