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【識者の眼】「世界脳卒中デー(10月29日)と脳卒中月間」峰松一夫

No.5034 (2020年10月17日発行) P.63

峰松一夫 (公益社団法人日本脳卒中協会理事長、国立循環器病研究センター名誉院長、医療法人医誠会臨床顧問)

登録日: 2020-09-29

最終更新日: 2020-09-29

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国内ではあまり知られていないが、毎年10月29日は「世界脳卒中デー、World Stroke Day」である。2006年10月29日、南アフリカ共和国ケープタウンで開催された脳卒中国際会議において、当時存在した2つの国際団体である国際脳卒中学会と世界脳卒中連盟とを発展的に合併させ、世界保健機関(WHO)公認の非営利脳卒中関連団体、世界脳卒中機構(World Stroke Organization:WSO,https://www.world-stroke.org)が誕生した。なお、国際脳卒中学会は1989年に京都で開催された第1回世界脳卒中会議の際に結成され、WSO移行時の代表者は当時の日本脳卒中協会理事長の山口武典であった。筆者も、この国際会議に参加し、WSO誕生セレモニーにも出席した。

WSOはこの日を記念し、毎年10月29日を「世界脳卒中デー」と定め、脳卒中に関する啓発キャンペーンを世界各国で展開している。本年2020年のキャッチフレーズは、Join the MoveMentであり、各種運動(ウォーキング、体操、ダンスなど)による脳卒中予防を呼びかけている(https://www.world-stroke.org/world-stroke-day-campaign)。

一方、公益社団法人日本脳卒中協会は、脳卒中に関する知識を一般市民に広めることを目的に、2002年に毎年5月25〜31日の1週間を「脳卒中週間」と定めた。脳卒中に関する標語を公募し(2020年度の標語は「脳卒中 知って学んで 予防する」である)、そのポスターを全国の薬局や医療機関に掲示し、脳卒中市民公開講座なども開催してきた。

しかしながら、一般市民への啓発のタイミングが5月の「脳卒中週間」と10月の「世界脳卒中デー」の2つに分かれているために、両者の関連付けや集中的な啓発活動が困難であった。そこで、脳卒中・循環器病対策基本法施行後の2020年に協会内部で再検討を行った。その結果、2021年からは5月末の「脳卒中週間」の代わりに毎年10月の1カ月間を「脳卒中月間」として様々な啓発イベントを実施し、10月29日の「世界脳卒中デー」につなげて盛り上げることとした。どうか期待していただきたい。

峰松一夫(公益社団法人日本脳卒中協会理事長、国立循環器病研究センター名誉院長、医療法人医誠会臨床顧問)[脳卒中]

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