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医学部新設は日本の医療を崩壊させる [プラタナス]

No.4697 (2014年05月03日発行) P.3

小川 彰 (岩手医科大学理事長・学長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-04-05

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  • 昨今、医学部新設が話題になっている。医師不足なら「医学部を新設し、医師を増やせばよい」……誠にわかりやすい。しかし、医学部新設は、むしろ、危機的状況にある地方の病院医療を根底から壊し、地域医療を崩壊に導き、世界に誇る日本の医療を根幹から壊してしまう可能性が高いのである。

    小規模の医学部ですら約250名もの臨床医が教鞭を執っている。医学部新設にはその教員を新たに確保しなければならない。候補者は病院勤務医しかない。一方、地域医療を担う病院は、1診療科ごとにわずか1~数名の医師の献身的努力で運営されている。有能な医師が1名でも教員として引き抜かれれば、その診療科は崩壊する。1診療科の崩壊は病院全体に影響し、当直・救急体制が立ち行かなくなり、病院崩壊に進展する。地域で1つ病院が崩壊すれば、その影響は隣の病院に波及し、広域の病院崩壊に結びつくのである。

    このように、たった1名の医師の異動が、県を超えた広域の地域全体の医療を崩壊させるのである。これは、医師不足にある東北地方だけではなく、全国どこの地域でも起こりうる問題である。

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