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顎関節脱臼[私の治療]

No.4994 (2020年01月11日発行) P.45

吉田秀児 (東京歯科大学口腔顎顔面外科学講座)

登録日: 2020-01-09

最終更新日: 2020-01-08

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  • 下顎頭が下顎窩から外に出て顎関節運動範囲外にあり,正常な位置に自力で復位しない状態のことをいう。ほとんどの場合が関節窩の前方に位置する前方脱臼である。原因としては,下顎窩・関節隆起・下顎頭などの硬組織の形態異常や,靱帯および関節包の弛緩,筋の協調失調など,顎運動に関係する軟組織の異常などがある。病態分類として,①急性(単純性),②習慣性,③陳旧性,の3つが主であり,特に習慣性顎関節脱臼は高齢者に多く認められる。

    ▶診断のポイント

    【症状】

    顎関節部疼痛と顎運動制限,閉口不能による咀嚼,発音,嚥下障害がみられ,患側耳前部は陥凹して,さらにその前方は隆起が触れる。両側に脱臼が認められると,オトガイ部の前方突出,面長顔貌,両側鼻唇溝消失,流涎が認められる。片側の場合は,オトガイ部の健側偏位,交叉咬合,患側鼻唇溝消失が認められる。

    【検査所見】

    パノラマX線画像により,下顎頭が下顎窩より逸脱し,前上方に固定されているのが確認できる。整復困難な症例については,CTやMRIによる顎関節部の精査が必要となる。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    脱臼の整復と再発防止が重要な治療方針となる。新鮮症例であれば,できるだけ早期に筋緊張を除去した上で整復し,一定期間固定を行う。しかし,習慣性顎関節脱臼症例で度重なる整復による恐怖心の増大や,疼痛の増大により整復が困難となったり,患者のQOLが著しく低下したりする場合は,外科療法が適応となる。

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