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顎変形症[私の治療]

No.4985 (2019年11月09日発行) P.52

渡邊 章 (東京歯科大学口腔顎顔面外科学講座講師)

登録日: 2019-11-07

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  • 顎変形症は,上顎骨または下顎骨を含む頭蓋骨の大きさ,形態,位置などの変形により上下顎の対合関係に異常をきたし,口腔機能の低下と美的不調和を示す疾患である。
    発生時期から3つに分類される。
    ①出生後に認められる先天性顎変形症として,第一第二鰓弓症候群(hemifacial microsomia),Goldenhar症候群,Crouzon症候群,唇顎口蓋裂などの口腔顔面裂などの顔面に変形を示す症候群,などが挙げられる。
    ②成長発育に伴い変形が著明になる顎発育異常として,思春期や成長期にかけて顎骨の過剰発育や発育障害による片側性下顎低形成(hemimandibular hypoplasia),片側下顎延長(hemimandibular hyperplasia),片側下顎肥大(hemimandibular elongation),などが挙げられる。
    ③後天的な原因で生じる後天性顎変形症として,内分泌異常,生活環境,外傷,などが挙げられる。
    上記の発生時期の分類以外に形態,咬合関係,歯列弓形態など,様々な分類がされている。
    一般的には手術が適応となり,顎変形症に対して行われる手術を顎矯正手術といい,形態改善と口腔機能の回復の2点が主目的となる。また,最近では美的な要求が強く,上下顎の複雑な動きが余儀なくされるため,難易度の高い手術が多くなっている。本治療を希望される人は,特異な人格特性を持ち,治療後は心理面に強く影響を与えるため十分な計画が必要となる。

    ▶診断のポイント

    矯正歯科医と口腔外科医が十分に患者の希望を理解し,変形の場所,障害,美的な要求に対処できるように的確な治療法を選択し,計画する必要がある。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    一般的に,顎変形症の診断には規格化された正面,側面の顔貌写真や頭部X線規格写真,歯列模型,顎運動,咀嚼筋筋電図の測定結果が用いられ,3次元的な変形があるためCTでの情報は必須である。顎骨の変形がどこにあるのかを十分に精査,軟組織の変形,呼吸なども十分に観察しておく必要がある。

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