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【人】大蔵 暢さん「終末期における意思決定支援は医療者の新しい役割」

No.4747 (2015年04月18日発行) P.14

大蔵 暢 (トラストクリニック等々力院長、老年科医)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-20

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  • 大蔵 暢さん(Okura Toru)

    トラストクリニック等々力院長、老年科医

    1971年富山生まれ。95年富山医薬大卒。京大、聖路加国際病院を経て2001年渡米。ミシガン大で老年医学を学び、09年に帰国後は、有料老人ホームで高齢者医療の実践と教育に取り組む。著作に『「老年症候群」の診察室』(朝日新聞出版)。

    「終末期における意思決定支援は医療者の新しい役割」

    都内に展開する介護付有料老人ホーム「トラストガーデン」のホームドクター。気鋭の老年科医として著作や発言が注目を集めている。

    「友人には『その若さで老人ホームにいて大丈夫か』なんて心配されるんですが、ここでは何百通りの老いを見られる。もう1つの先端医療と思っています。老人ホームのトップモデル、理想の高齢者医療の場を作りたい」

    大蔵さんの医師としてのパラダイムシフトは、米国で高齢者医療を学ぶなか起きた。

    「『医療を受けながら生活する』という視点が必要と気づいたんです。病気、健康の二元論で捉えられる若い人と異なり、高齢者は入院加療で完璧な状態にはならない。時間はどんどんなくなっていきます。ならば自分が生活の場に行き、そこで医療を提供しようと」

    老人ホームではいわゆる問題入居者だけでなく、全員について「包括的高齢者評価」を行う。提供する医療サービスは血液検査、レントゲン、心電図、点滴・酸素から、終末期緩和ケア、看取りまで。「必要性の低い救急搬送や病院受診、入院が少なくなりました。看護師も介護スタッフも大変ですが、病院から帰ってきたらすごく弱って痩せてしまった人、ここで生活しながら治療して早く治った人を見て、今では彼らのほうから『先生、まだここで診られませんか』と言ってくれます」

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