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漢方の標準化

No.4932 (2018年11月03日発行) P.53

村松慎一 (自治医科大学地域医療学センター東洋医学部門特命教授)

登録日: 2018-11-06

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【漢方薬をより使いやすくするため,いくつかの試みが進んでいる】

漢方薬の使用に際し,伝統医学の特徴である先人の経験則が,十分に活用されているとは言いがたい。漢方薬をより使いやすくするため,いくつかの標準化の試みが進んでいる。漢方薬は,植物などの自然界の素材(生薬)により構成され,その薬理作用は,基原(遺伝型),土壌,天候,修治(加工方法)など,多くの要因により変動する。大量生産されるエキス製剤では,煎じ薬よりは品質の影響は小さいと考えられるが,生薬の知識は重要となる。それには,医薬基盤・健康・栄養研究所の薬用植物総合情報データベース1)が役立つ。また,エキス製剤は,製薬企業により構成生薬やその含量が異なる。たとえば,柴胡加竜骨牡蛎湯には大黄を含まない製剤がある。

臨床報告では,どの製剤を使用したのか明記する必要があるが,特に英文で記載する場合,個々の構成生薬まで列挙するのは煩雑となる。その際には,漢方製剤情報サイトSTORK2)から該当する処方のURLを参照するとよい。漢方に関する種々の用語は,世界保健機関(WHO)の国際疾病分類の最新版(ICD-11)に伝統医学の章が追加され,2018年6月に公開された。独特の診察法については,北里大学東洋医学研究所を中心に6大学の漢方診療部門の専門医が議論を重ねており,主要な33処方を使用した症例の解析も始まっている。今後,人工知能を応用した診断支援システムの活用も期待される。

【文献】

1)医薬基盤・健康・栄養研究所:薬用植物総合情報データベース. [http://mpdb.nibiohn.go.jp/]

2)医薬基盤・健康・栄養研究所:STORK. [http://mpdb.nibiohn.go.jp/stork/]

【解説】

村松慎一 自治医科大学地域医療学センター 東洋医学部門特命教授

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